無料のMAツール「Mautic」を実際に仕事で導入して運用してみた感想とこれから検討している方へ

小売りでECサイトの構築・保守・運用を担当しており、無料(オープンソース)のMAツール「Mautic」を実際に導入し運用まで担当したので、アウトプット目的で書きたいと思います。

Mauticの導入を検討している担当者の方の参考になればと思います。

MA(マーケティングオートメーション)とは

最初に

MAという言葉を知っているけど具体的にどういう物か知らない方に質問です!

MAって導入したら「勝手にマーケティングを行ってくれるツール」という認識でしょうか?

どうでしょう?

MA(マーケティングオートメーション)という、オートメーション = 自動なのでそういう雰囲気はありますが・・・

オートメーションという言葉だけにだまされてはいけない

早速ですが、、、

残念ながらMAは導入しただけでは、何の意味もありませんし勝手にマーケティングを行ってくれる訳でもありません。

MAは、

サイトに訪れた顧客をセグメント化して、事前に設定した動作に合致した顧客に対して自動でマーケティングを行うツールです。

ですので、導入しただけは何の効果も得られずに時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。

Mauticとは?

無料(オープンソース)で利用出来る、マーケティングオートメーションツールです。

参考 Mautic日本語公式サイトMautic日本語公式サイト

厳密に言うと、Mauticの環境は二つ用意されていて、

2つのMautic利用環境
  • 【無料版】Mauticを公式サイトからダウンロードして、稼働させるサーバーや稼働環境は自身で構築する
  • 【クラウド版】Mautic運営元が運用しているサーバーで月額料金を払い利用する

マーケティングオートメーションは有名大手企業の製品から小さい企業の製品と数十の製品が販売されています。

規模が大きい製品ですと初期費用だけで数百万円掛かる物もザラで、「投資しても回収出来るのか?・・・・」という不安があるかと思います。導入後もランニングコスト(毎月の保守費用やMA設定、構築に掛かる人件費)も掛かりますので厳しい所もあるでしょう。

その点、Mauticは一つの条件さえ満たせればMautic自体は無料で利用出来ます。

一つの条件というのは「サーバーやWebアプリケーション、セキュリティ知識を持ったエンジニア」が在籍しているを満たせれば構築・稼働・運用は可能になります。

情報の取り扱いが厳しい世の中だけどセキュリティは大丈夫?

MAは個人情報の塊(データベース内は)ですので、慎重に扱わなければなりません。

例えば、無料版のMauticを利用する場合、

注意点
  • Mauticを稼働させる為のサーバー
  • Mauticを外部から守る為のセキュリティ確保
  • 外部から攻撃、漏洩していないかの日々のチェック(アクセスログ)

は企業側の責任範疇になります。

Mautic自体にも脆弱性はありますので、アップデートがあれば常に最新状態にして運用を行わなければなりません。

有料版を使用する場合も契約時に「過失があった際の補償」は必ず確認して下さい。

Mautic導入に向いている企業

Mauticと言いますか、マーケティングオートメーション導入がマッチしている企業を少し記載したいと思います。

イチマーケターの意見ですが、参考になれば幸いです。

前提として自社でWebサイト若しくはECサイトを運営している企業が対象になります。

向いている企業
  • 手動で商品やサービスなどの宣伝メールを取引先企業に送信している
  • 既に別のメール一斉送信サービスを利用している
  • 自社サイト内でコンテンツ(ブログ、コラム)を公開している
  • 既にGoogleアナリティクスや他アクセス解析ツールを利用している
  • オフラインアプリ及びツールで顧客を分類している
  • デザイナー、ライター、エンジニアがいる

既に上記リストを行っている企業の場合、Mautic(MA)導入を行う事で幾つかメリットを得られます。

もう少し具体的なメリットを言うと以下になります。

手動で商品やサービスなどの宣伝メールを取引企業に送信している

自社商品や自社サービスなどを取引企業にメール送信している場合、以前から取引しているか過去に問い合わせがあり

「この取引先企業はこの商品やサービスがマッチしている」なと思うからメールを送信するはずです。

闇雲にメール配信を行っている場合は例外ですが、考えて「この企業にはこの商品を知らせる」、「この企業にはこのサービスを知らせる」というセグメントを少しでも行っているのであれば、Mauticを上手く利用すればタイミング良くメールマーケティングが自動で行えます。

既に別のメール一斉送信サービスを利用している

例えばアンケートや問い合わせ、請求フォームで「メルマガ配信OK」の顧客に対してメルマガの一斉配信サービスを既に行っている場合、Mauticを利用すればもっと事細かく顧客レベル、顧客の状態に合ったメールマーケティングが可能です。

メール一斉送信サービスの場合、ザックリな顧客セグメントで配信は出来るかもしれませんが闇雲にメールを配信しているレベルに近い為、顧客ニーズに合っていないメール内容を送信している可能性もあります。

Mauticの機能を利用すれば顧客のサイト内行動からこの顧客には「この内容のメールを配信」、別のこの顧客には「この内容のメールを配信」という様に、顧客レベルや顧客の状態に沿った内容のメールを配信する事が可能です。

既にGoogleアナリティクスや他アクセス解析ツールを利用している

既にGoogleアナリティクスや他アクセス解析ツールを利用している場合、見込み顧客のサイト内行動を大体把握する事は可能です。

ですが、Googleアナリティクスや他アクセス解析ツールはMauticと目的が異なり、前者は主にECサイトの改善をメインとしサイトを良くする事で問い合わせ / 購入率(コンバージョン)を上げるというのが一番の目的かと思います。

MauticはGoogleアナリティクスや他アクセス解析ツールと同様の匿名見込み顧客も追跡出来ますが、Mauticはもっと深い所を主としていて「既に問い合わせや資料請求があった見込み顧客」に対してのフォローを行うという所がメインになります。

既にアクセス解析ツールを利用していて、ページ改善を行っているがもう少し顧客の具体的な行動を見て改善・フォローを行いたい場合はMauticを利用するメリットは十二分にあるかと思います。

オフラインアプリ及びツールで顧客を分類している

例えば請求フォームや問い合わせがあった顧客をオフラインアプリ及び何かしらのツールで顧客レベルを分類している場合、Mauticを利用する事で設定して任意のレベルで自動的に顧客レベルを振り分ける事も可能です。

手動で分けていた実績を基に、顧客を自動でセグメント化出来るので「正確性」と「時間の削減」が可能になります。

自動でセグメント分けされているデータをそのままMautic内で利用する事も出来ますので「データの分散化」も防ぐ事が出来ます。

デザイナー、ライター、エンジニアがいる

Mauticには配信するコンテンツを作成する機能があります。(HTMLメール)

デザイナー、ライター、エンジニアが在籍している場合、質の高いHTMLメールを顧客レベルに沿って作成する事が可能です。

上記でも記載しましたが、既に他の一斉メール配信サービスを利用している場合、HTMLメールを配信しているかと思います、

が、一斉配信サービスの場合、顧客レベルやニーズ、タイミングにあったメールを配信する事が難しく又、顧客毎に手動でのメール配信も現実的ではありません。

デザイナー、ライター、エンジニアが在籍している場合、MAを運用させるには適した人材が居る状態ですので有効にマーケティング活動が出来る可能性非常に高いです。

又、エンジニアが在籍していればセキュリティに関しても完全に守る事は不可能ですが、在籍していないより耐性はあるので安心感も違うと思われますし、多少のトラブルであれば早急に対処可能ですのでこちらも十分なメリットかと思います。

Mauticの導入企業規模

MAの選定基準や導入コストで実際、中々難しい所かと思います。

実際に導入から運用まで一貫して行った印象として、中小企業の場合は問題無く導入可能です。

MAの最初のステップアップとしてMauticは十二分な機能を持っていますので、大手製品に引けを取らないポテンシャルはあります。

稼働させるサーバー環境ってどれがおススメ?

テスト目的だとレンタルサーバーでも稼働させる事は可能です。

ですが、PVが多いサイトや同時に多数の人が訪れるサイトの場合、レンタルサーバーでは処理仕切れずサイト動作が重くなり離脱に繋がる可能性があります。

私はAWS(Amazon Web Service)を利用しMauticを稼働させています。

AWSであれば、わざわざMautic稼働用のサーバーを購入しなくても良いですし、サーバーのハードウェアメンテンスなどの手間も省け、高負荷時(PV増)の場合などはフレキシブルにCPUを変更出来るので状況によって環境を変更出来るのでオススメです。

まとめ

Mauticのデメリット

  • 無料版の場合、稼働環境からデータの取り扱いまでセキュリティ確保は全て自社責任で行わなければならない。
  • 無料版の場合、エンジニアが居ないと稼働させるまで様々な知識が必要な為、導入の敷居は高い。
  • 公式マニュアルはあるが、日本語がおかしい部分がある。また情報が足りない場合は海外サイトで探すしかない。

Mauticのメリット

  • 大手製品の機能に引けを取らないMAツールが無料で利用出来る。
  • 本格的に稼働、機能を理解出来れば人員削減、時間削減、サイトの質が向上、問い合わせ / 請求 / 購入率の改善・向上も行える。
  • 市販品と比較すると年間数百万円の削減が出来る可能性が高い。

 

如何でしたでしょうか?

私自身もMauticを導入する際、様々な壁がありましたので「Mauticが気になっている」という方に向けて参考になればと書きました。

今回、細かい機能は紹介しておりませんが次回は、

  • Mauticで出来る機能
  • Mauticと自社フォームとの紐づ付ける方法
  • 公式に記載が無いこの項目って何?この機能は何?
  • 実際の顧客を想定したMauticの使い方

を紹介したいと思います。